5 同質性並べ替え検定
本章では、先行する二つの章と同様のアプローチに沿って、同質性並べ替え検定を導入する。
同質性の状況は次のように記述できる:複数の単変量または多変量観測値のグループと、関心のある統計量を考慮すると、同質性の問題が生じ、直感的には次のように表現される:
グループは統合可能か?つまり、それらは不均質か?
より具体的には、
関心のある統計量に基づいて、同質性の水準をどのように評価できるか?
本章は以下のように構成される。まず、均質性の問題の例(§5.1)を示し、次に組合せ的均質性検定の原理(§5.2)を述べる。その後、独立した群の均質性(§5.3)を扱う。その後、実例研究で頻繁に遭遇する二つの独立群の特殊なケースについて、検定手順だけでなく適合領域の定義にも焦点を当てて展開する(§5.4)。続いて、反復測定設計における均質性を簡潔に検討する(§5.5)。さらに、複数群の平均値比較を扱う他の手法について述べる(§5.6)。最後に、2群の均質性検定用Rスクリプトと、Coheris SPADソフトウェアと連動したRスクリプトを用いた解析実施ガイドを提供する(85.7)。
5.1 同質性の問題
動機付けとなる例として、以下の三つの状況を考えてみよう。
教育方法論二種類の数学教育法を比較するため、二つの生徒グループが構成された。一方のグループは現代的教育法で数学を学び、他方は伝統的教育法で学ぶ。課程終了時、生徒たちに組合せ論の試験が実施される。教育方法論は組合せ論試験の結果に影響を与えるか?